最近、AIで作られた画像を見かけることが増えました。SNSの投稿や広告デザイン、プレゼン資料、さらには商品パッケージまで。AI画像はスピーディーに高品質なビジュアルを作れる便利なツールです。しかし、商用利用する場合には注意が必要です。知らずに使うと、著作権や利用規約の違反になることもあります。今回は、AI素材を安心して使うための基本をわかりやすくお伝えします。
まず押さえておきたいのは、「AIで作った画像にも著作権や利用ルールが関わる」ということです。AIが生成した画像は、人が描いたものとは違って、誰の“創作物”なのかが曖昧です。そのため、どのAIサービスを使って作ったか、どんな条件で利用できるかをしっかり確認する必要があります。AIツールによって商用利用の可否が異なるため、同じように見える画像でも「使えるもの」と「使えないもの」があるのです。
たとえば有名な画像生成AI「Midjourney」では、プランによって商用利用の可否が変わります。無料プランでは商用利用ができませんが、有料の「Pro Plan」などを契約している場合は、商用利用が認められます。つまり、同じMidjourneyで作った画像でも、利用者のプランによって法律的な扱いが異なるということです。
また、AIで画像を生成するときに「固有名詞」を使わないこともとても重要です。たとえば「〇〇社のキャラクター」や「有名俳優の顔」「特定のブランド名」などをプロンプトに入れると、その権利を侵害するおそれがあります。AIがその名前から学習データを参照して似たようなものを出してしまうと、無意識のうちに著作権や肖像権を侵害してしまうことにもなりかねません。AIは「自分で責任を取ること」ができません。だからこそ、使う人間がルールを理解しておくことが大切です。
さらに注意したいのは、「AIで生成した画像を再配布したり、素材販売サイトで販売したりする行為」です。AIが学習しているデータの多くは、インターネット上の既存作品をもとにしています。そのため、生成画像の一部が他人の著作物に似ている可能性があります。再配布や販売をすると、他者の権利を侵害してしまうリスクが生まれるのです。AI素材を商用利用する場合は、「制作物に組み込む」「デザインの一部として使う」といった範囲にとどめるのが安全です。
ただし、Polygon Shop FREEで配布されているAI素材はこの限りではありません。
Polygon Shop FREEの素材は、MidjourneyのPro Planで生成されたものです。プロンプトには固有名詞を一切使用せず、著作権や肖像権を侵害しない安全な方法で制作されています。さらに、表現スタイルが水彩ポリゴンという抽象的なデザインで構成されているため、実在の人物やブランドを想起させることもありません。つまり、ディープフェイクのような疑念を持たれにくく、視覚的にも安心して利用できるAI素材です。
Polygon Shop FREEは、素材販売ではなく、制作者自身が生成・管理した素材を無料で提供しています。そのため、著作権侵害や再配布リスクには抵触しません。利用者は、安心して商用利用できます。
著作権と同様に、「肖像権」も大切なポイントです。AIで生成された人物の画像であっても、実在の人に似ている場合は注意が必要です。本人の許可なしに使用すれば、トラブルになることもあります。特に広告やSNS投稿など、不特定多数が目にする場面では、慎重さが求められます。
AI素材の扱いを考えるとき、実際の写真撮影と共通する考え方が参考になります。カメラで撮った写真にも、撮影者の著作権や被写体の肖像権があります。AIも同じで、誰かの権利を侵害しないよう配慮する姿勢が大切です。AIを使うということは、クリエイティブの新しい道具を使うということ。道具が変わっても、倫理や責任の基本は変わりません。
AIは「速く・安く・美しく」ビジュアルを作れる強力なツールです。しかし、それを「正しく・安全に・誠実に」使える人こそ、これからの時代に信頼されるクリエイターです。AI素材の利便性を活かしながら、著作権や肖像権のルールを尊重することで、安心して創作を続けることができます。
最後に覚えておきたいのは、「AIが作ったものも社会の一部」だということです。AIが描く世界には、人の想像力や責任が必ず関わっています。使う側の意識が変われば、AIと人の関係もより健全なものになります。
AI素材は敵ではありません。正しく理解し、ルールを守り、安心して活かすこと。それがこれからの時代の新しい“表現のマナー”なのです。